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札幌の人にとってサケは特別ですよね そこでワイルドサーモンプロジェクト [waRashi Rod]

秋、札幌市街地の川で釣っていると、橋の上から川を覗き込んでいる人をよく見かけます。ランニングしていたのにわざわざ止まって川面を指差す人もいます。気にしているのは遡上してきたサケです。札幌の人たちにとってサケという存在は特別なんですね。
なんでそんなに特別なのか、たぶん、その基になったのは、1970年代から始まったカムバックサーモン運動なのではないかと思います。
カムバックサーモン運動は札幌の都市化などで絶滅してしまった豊平川のサケをシンボルに、失われた自然を取り戻す運動でした。運動は、豊平川のサケを復活させ、なおかつ、市民に「川を遡ってくるサケを愛でる」という文化を根付かせたというわけですね。人口190万都市の鉄橋脇で、サケの産卵行動が見られるのはステキです。



いま、豊平川に帰ってくるサケのうち、ふ化場で生まれて稚魚として放流され、帰ってきたのは30%。70%は豊平川に遡ってきたサケが産んだ卵が、ふ化して稚魚になって海に下り、豊平川に戻ってきた豊平産「野生」サケだそうです。
そこで、カムバックサーモン運動は、ことしからワイルドサーモンプロジェクトにバージョンアップすることになりました。サケが帰ってくる川になったので、次はもっと自然に近い野生サケを増やそうということです。
ということは、川にもっと自然を取り戻さなければなりません。今、多くの川は、ダムで分断されたり、河床が下がったり、砂利がなくなったり。自然が売りの北海道なのに残念な状況にあります。野生サケが増えるかどうかは、そうした環境が改善されたかどうかを示す目安になります。
これまでの、単純に「魚を取り戻そう」から、「自然な魚を取り戻そう」へのバージョンアップ。「そんなのマニアックでわからない」と理解されないかと思いきや、11月3日に札幌で開かれたプロジェクトの発表イベントは盛況でした。

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一部、入り口からはみ出ちゃった人もいました。もっと注目すべきは、今回のプロジェクトのコアメンバーには、開発局や水産庁の関係者が含まれていて、なおかつ、会場に来ていたこと、サケ文化が発達したアイヌ民族の人も会場に来て発言していたこと、あと、女子率が高いこと(司会の方も話していました)です。
ワイルドサーモンプロジェクトのこのあとの展開が楽しみです。


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